認知症の原因

認知症の原因


認知症には、主としてアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症と言われる多発梗塞性認知症そしてこのふたつの混合型の3つの型があります。

これら3つの型のなかで、アルツハイマー型認知症の原因は未だ分からないのがが現状です。ただしアルツハイマー型認知症の場合は脳の神経細胞が激減するため、大脳全体が萎縮しさらに詳しく観察するとアルツハイマー原線維変化と言われる神経細胞に独特の変化がみられる特徴をもっていることがわかっています。

神経細胞の外側に、アミロイドと呼ばれるたんぱく質が沈着しています。これを、老人斑といいます。この原線維変化と老人斑が最も多く認められるのは、大脳皮質においてです。

その他の説に染色体の異常が関係しているのではないかという説もあります。その理由はダウン症の人が成人に達したときの脳の状態が、アルツハイマー型認知症の場合と似ているためです。

アルツハイマー型ではない、認知症の型の脳血管性認知症と言われる多発梗塞性認知症の場合には、動脈硬化や高血圧に基づく脳梗塞の多発が重要な原因のひとつです。

脳血管性認知症と言われる多発梗塞性認知症をもつ患者さんの脳を見ると、ほとんどの症例で脳に小さな傷がたくさんあることがわかります。これが梗塞巣です。また慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍などでも、二次的に認知症症状を起こすことがあります。

コルサコフ症候群

コルサコフ症候群


認知症というのは、物忘れがひどくなったり知能の働きが低下した状態を言い、記憶力が悪くなるのが主な症状で正常な社会生活を営むことが出来なくなる病気です。

高齢化が進む現代においては、老人ぼけといわれる認知症がますます増加しており、社会的な問題ともなっています。こうした症状が40〜60歳の初老期にあらわれた場合を初老期認知症そして65〜70歳の老年期に現れた場合を老年認知症といった区別をすることもあります。

これらの認知症はアルツハイマー型老年認知症とも呼ばれていて、脳動脈硬化などの脳血管障害によって生じる脳血管性認知症と区別されています。現在、日本の65歳以上の老人の4.8パーセントがこのぼけ老人といわれています。

老人期の認知症として問題になるのは、アルツハイマー型認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、ピック病、コルサコフ症候群の4つです。このうち、コルサコフ症候群というのは、別名、健忘症とも呼ばれています。

病的な原因によって、過去のことを思い出せなくなったり、自分のいる場所や日時がわからなくなったりしこれを記銘障害と呼びます。そのため、作り話をしてつじつまを合わせたりといったことが症状の中心となります。

慢性アルコール中毒、一酸化炭素中毒、脳腫瘍、脳炎などでもこの症状はみられます。脳の障害が原因となっていて特に記憶障害と関係の深い乳頭体や間脳そして中脳領域が損傷されるためと考えられています。それぞれの原因となった病気によって症状や経過は異なります。

ヤコブ病とピック病

ヤコブ病とピック病


老人期の認知症として問題になるのは、アルツハイマー型認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、ピック病、コルサコフ症候群の4つがあります

そのなかで一般的なのは、アルツハイマー型認知症とコルサコフ症候群ですが、クロイツフェルト・ヤコブ病とピック病も老人期の認知症であることに変わりありません。

クロイツフェルト・ヤコブ病の多くは50歳代に発病し、いろいろな精神症状を示しながら急速に認知症が進んでいきます。遅発性ウィルス感染症とか、プリオンという新しい病原体が原因とする説が強く、感染症の一種と考えられています。

プリオンというのは、細菌からヒトも含めて、細胞がつくるたんぱくが変異したものです。クイスフェルト・ヤコブ病の原因は、長い間不明でしたが、最近、プリオンと呼ばれる、ウィルスよりも小さな病原たんぱくが原因であることがわかりました。

クロイツフェルト・ヤコブ病は、大脳や小脳に特徴的な海綿状態がみられ、1年から2年で死にいたります。またピック病の症状は大きな人格の変化が特徴です。

今まで穏やかだった人が、家庭や勤め先で無分別な行動を起こしたり、他人に迷惑をかけることが平気になったりして周囲の人たちを驚かせます。

また、ピック病は注意力が散漫になり、他人の質問に真剣に答えようとしなくなったり、物事を覚えようとする意欲がなくなることから、表面的には記憶力が低下したように見えます。

しかし、記憶力と見当識はほとんどおかされていません。ピック病は、側頭葉の萎縮や脳室の拡大など、脳に特有の異常が見られますので、独立した遺伝が関係する病気と現在は考えられることが多いようです。

アルツハイマー型認知症の治療法

アルツハイマー型認知症の治療法


アルツハイマー型認知症は、現代の医学でも未だその原因も明らかでないばかりか、現在のところ一般的な治療法もないのが現状です。アルツハイマー型認知症はそのため対症療法が中心となります。

激しい精神的興奮が見られる症状に対しては、向精神薬を使用して対処したりしています。また夜中に騒ぐ患者さんに対しては、入眠剤を用いることもあります。抗うつ薬の使用が有効なこともあります。

最近は、脳内アセチルコリンの研究が進むと共に、老年認知症に対してコリン作動性薬物やコリン前駆物質を投与するなどの治療が試みられています。コリンというのは、神経と神経のつなぎめ、神経と筋肉などの組織とのつなぎめの部分で、情報を伝達する化学物質のひとつです。なかでもアセチルコリンがもっとも強い作用を持っています。

アルツハイマー型認知症やその他の認知症でとくに記憶障害が起こるのは、このコリンによる神経間の連絡が絶たれることが原因と考えられています。そこでコリンやアセチルコリンの産生を促す薬、コリンの原料となる薬が、認知症の記憶障害などに有効なのではないか、と研究が進められています。

しかし未だ充分な治療効果が上がっていないのが現状です。そのため、家族をはじめとする地域社会全体がアルツハイマー型認知症の患者の症状を理解し、進行を進めないように力を尽くし、リハビリを継続することが大切となります。

リハビリは病気の予防、治療と並び、第3の治療といわれるほど重要です。リハビリによって進行を食い止めることはご本人の苦しみだけでなく、家族の負担を軽減する重要な方法でもあります。

老人斑と神経伝達物質

老人斑と神経伝達物質


アルツハイマー型認知症は老年期の認知症の代表とも言われています。アルツハイマー型認知症は根本的治療がなく徐々に症状が進行することから恐ろしい病気であることに違いありません。

アルツハイマー型認知症で特にみられる症状は、記憶障害や見当識障害などの症状のほかに歩行困難などの身体的症状や脳の萎縮などの解剖学的症状などです。

大脳の萎縮や神経伝達物質の変化が解剖学的症状としてみられます。神経伝達物資というのは情報を伝達する化学物質のことで、アセチルコリン、カテコールアミン、セトロニンなどがその化学物質になります。

神経と神経のつなぎめや、神経と筋肉などのつなぎめには、ごくわずかですが隙間があいており、神経のなかで電気的流れとして伝わってきた情報がこの隙間で化学物質に置き換えられます。

この化学物質が神経伝達物質と呼ばれていてこれらの化学物質の受け入れ口である受容体を通して伝わった情報は、再び電気信号となって神経や筋肉を興奮させることになります。

一方、脳の縮小は、正常老人の約10パーセントの減少が起こります。特に前頭、側頭、頭頂葉の減少が著しいのが特徴でまた脳室の拡大や神経細胞の脱落と萎縮、アルツハイマー神経原線維の変化、老人斑などがみられます。

アミロイドと呼ばれる色素たんぱくが脳に沈着したものが老人斑といわれるものです。現状は推測の域ですが老人斑はアルツハイマー型の認知症の大脳皮質に多く見られ、第21番目の染色体にある遺伝子の異常によって生じるだろうと推測されています。

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